自分は読書が好きで理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つは、
"賢者は歴史から学ぶが、愚者は経験からしか学べない"
は理解しつつも、自分には学が無く賢者ではないので、どうにか補おうと思っている部分があると思います。
ということは、今読んでいる テロール教授の怪しい授業(1) (モーニングコミックス) Kindle版 でこのページを読んでいて、自分の中で言語化することができました。
そして、今振り返り、一番歴史から学べていなかったことをポエムにしてみます。
自分は以前、起業していたことがありました。 その時は、インターネットサービスを開発したいというモチベーションで、フリーランスから法人成りしました。 しかし、様々な起業の本や情報を目にしていたにも関わらず、ファイナンスのことに向き合っていなかったのです。
クライアントワークというか、零細 SI 事業や IT コンサルティングをやって、そこの利益から、開発費や時間を捻出して、スモールスタートしよう。 まとまったお金が必要になったら、その時考えようと考えていました。(つまり、"どんぶり勘定起業" でした)
この方針に関して、経営者経験のある父に話してみたところ、融資を受けるかは別にして銀行に見せられる事業計画を作った方が良いよ。とアドバイスをもらいました。
けど、フリーランス時代から継続して発注頂いている案件もあるし、売上も伸ばしているから、今はいいや。とスルーしてしまいました。
その後、利益から開発費や時間が捻出できないので、その対策として、案件を少しづつでも大型させることにしました。 そして、大型化した案件に対応するため、従業員の雇用や、常駐の業務委託さんを抱えはじめたのですが、自分のロールも増えました。
これまでは、「コンサル and/or プログラマー and/or インフラエンジニア」というロールだったのが、加えて、 「営業 and/or PM and/or SE (プログラミングをアウトソースするために設計書を書くロール) and/or テスター」 も担当する必要があり、この生活が続いた結果、体を壊し、徐々にメンタルが壊れてきたので、会社を売却して、今は会社員やっています。
振り返ると、
- どんな Web サービスを開発し、社会貢献と事業継続性確保の両立するビジョンを研ぎ澄ます
- 融資に備え、デットファイナンス用の資料を作成する
- 出資に備え、エクイティファイナンス用の資料を作成する
- どんな状態になったら、融資や出資を受けるのかの選択肢を考えておく
ということが起業家としては必要であったと、今でも思います。
かなりの糧になった教訓なので、経験からしか学べなかった事例として、自分には重要なイベントでした。
その後、健康と生活が安定し、結婚や子供にも恵まれていて、この教訓を活かした仕事もできているので、贅沢な話ではあるのかもしれませんが、きちんと歴史から学んでいれば、避けることができるトラップではあったとは今でも思います。
以上、ポエムでした。